エージェントベースモデリング(agent-based modeling,ABM)は自律的な意思決定ルールを持つ多数の「エージェント」と呼ばれる主体を定義し,それらの相互作用からシステム全体の振る舞いを分析する,ボトムアップ型のコンピュータシミュレーション手法である1.この手法は個々のエージェントのミクロの行動が集積することで,予測困難なマクロ現象(創発現象)がどのように現れるかを理解するために餅られる.特に,社会,経済,生態系といった複雑適応系の分析に適している.

Footnotes

  1. 寺野隆雄,“エージェント・ベース・モデリング: その楽しさと難しさ,” 計測と制御,vol. 43,no. 12,pp. 927-931,Dec. 2004