コーナリングフォースはタイヤと路面との間の摩擦力である1.タイヤが進行方向に転がっている場合,すなわち直進している場合には,この力は発生しない.タイヤの向きとタイヤの進行方向がずれているとき,すなわち横滑りしているときに発生する.この力はタイヤの進行方向に対し,直角方向に作用する.

車がコーナリングするとき,4つのタイヤに発生するコーナリングフォースの合力は遠心力と釣り合う.この遠心力は次の式で求められる.

したがって,遠心力はコーナーの曲率半径に反比例し,速度の二乗に比例する.例えば,曲率半径がR200からR100へときつくなると,コーナリングフォースは2陪必要となり,また,速度を50km/hで走っていたところを100km/hへ速度を2倍に上げると,4倍のコーナリングフォースが必要となる.

Footnotes

  1. 宇野高明,車両運動性能とシャシーメカニズム,グランプリ出版,東京,2020